今回で最後になります。

7.登記申請書

登記申請書の書式も法務局のウェブサイトにあります。記載事項の内容を説明します。

[登記の目的]

被相続人一人の所有権名義を相続するのなら「所有権移転」、被相続人が所有権の共有者の一人であれば「相続太郎持分全部移転」のように氏名の後に「持分全部移転」と記載します。

[原因]

例えば令和2年1月1日に亡くなった方の相続であれば「令和2年1月1日相続」と記載します。

[相続人]

(被相続人 相続太郎)

相続人 愛知県〇〇市〇〇町一丁目一番地  相続花子

例として、このように記載します。最終的に名義人となる人の住所氏名を相続人として記載します。共有で相続される場合は氏名の前に持分を記載します。「持分2分の1 相続花子」といった具合です。代理人ではなく本人による申請ということで、氏名の右側に認印を忘れずに押しましょう。

後日、補正連絡等があった場合の対応として連絡の取れる電話番号も併記しましょう。

[添付書類]

  • 登記原因証明情報(一部原本還付請求)
  • 住所証明情報(原本還付請求)

このように記載します。ここで言う登記原因証明情報は「相続関係説明図」や「戸除籍謄本」「遺産分割協議書」等を言います。添付した書類を返して欲しい場合は申請書の添付書類欄で(原本還付請求)と追記し、該当するその書類のコピーを刷って、「原本と相違ありません。 相続花子 ㊞」と記載、押印します。なお、相続関係説明図を添付することによって原本を返してもらえる「戸除籍謄本」はコピーの必要はありません。

[登記識別情報通知の有無]

登記識別情報通知(いわゆる権利証)が「必要でない場合」は「登記識別情報の通知を希望しません。」と記載、または書式の「希望しない□欄」にレ点を打つべきですが、特段理由が無ければ登記識別情報はしっかり受領しましょう。受領しない場合は後々の登記手続で費用が高くなる場合があります。

[申請日・管轄法務局]

令和2年8月18日申請 名古屋法務局〇〇支局

以上のように記載します。日付は書面提出日、オンラインであれば送信日、そして後ろに管轄法務局を記載します。

[課税価格・登録免許税]

課税価格  金1,234万5,000円

登録免許税 金4万9,300円

このように記載します。課税価格は合計評価額の千円未満を切り捨てた額で、登録免許税はそのまま収入印紙の額になります。

[不動産の表示]

登記事項証明書どおりの記載です。

  所   在  〇〇市〇〇町一丁目

  地   番  1番

  地   目  宅地

  地   積  234.56㎡

  所   在  〇〇市〇〇町一丁目1番地

  不動産番号  1800*********

土地のみだとこんな感じです。不動産番号を記載した場合は所在等の一定の事項の記載の必要はありません。逆に不動産番号以外の事項を全て記載していれば不動産番号を書かなくてもいいです。僕はいつも両方書いちゃってます。不動産番号は登記事項証明書の右上に記載されています。

申請・提出後

申請に軽微な間違いがあれば「補正して欲しいんですけど」と、補正不可能であれば「取り下げてもらえますか?」との電話が来ます。僕たちにとってはこの電話が心臓に悪いです。何もなければおおよそ2週間以内(確実ではなく、法務局職員の状況によって早くも遅くもなる)には完了しているはずです。完了していたら、返却してもらいたい書類や登記識別情報通知、登記完了証を法務局に取りに行きましょう。なお、申請書に郵送で返却してもらう旨を記載のうえ、自己宛てのレターパックプラスを添付して申請すると郵送で返ってきます。完了後に登記事項証明書を改めて取得すると名義が移っていることでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。「これなら自分でやれる!」と思われた方はどんどんチャレンジするべきでしょう。途中でつまづいたり面倒になったら、そのまま専門家に投げちゃいましょう。僕の記載がわかりにくかったら他のウェブサイトを見ましょう(笑)。